診療の目的と目指すこと

2年後の自立を目指す、アトピー性皮膚炎の訪問診療

わたしのアトピー性皮膚炎の訪問診療は、アトピー性皮膚炎の正しい治療を学んでいただくことを目的とし、2年後の患者様自身の自立を目指します。2年後に完全にアトピー性皮膚炎が治癒することを約束するというものではありませんが、わたしの2年間の診療によってアトピー性皮膚炎に悩んでいたあなたの人生を変えることが出来ると確信しています。

なお、わたしの診療の中心はステロイド外用薬の適正使用ですので、ステロイド外用薬の使用を希望されない方の診療はお引き受けできません。

治療のイメージ

アトピー性皮膚炎をコントロールする技術を身につける

アトピー性皮膚炎の治療において重要なことは、「患者さんサイドによる皮膚症状の正しい観察・評価とそれに合わせた外用薬の正しい塗布の実行を可能とする技術の獲得」に尽きます。それを患者様自身またはその家族に習っていただいて自立できるようにするというのがわたしの診療です。

わたしの「アトピー診療」では原則として、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬及び抗ヒスタミン薬の内服のみを使用し、シクロスポリン内服薬やステロイド内服薬などのリスクの高い内服薬はごく例外的状況を除いて使用しません。生物学的製剤と呼ばれる高額な注射薬も使用しません。ただし、感染症の合併など、アトピー性皮膚炎以外の治療では、何らかの別の治療薬を使用します。わたしの治療においては、煩わしい生活上の制限もほとんどありません。

特殊な治療を試みることなく、外用療法という皮膚科診療における王道の標準療法の徹底でアトピー性皮膚炎の克服を目指します。あなたがアトピー性皮膚炎に影響されるのではなく、あなた自身がアトピー性皮膚炎を完全にコントロールするのです。

例えば、以下のようなことが普通になることを目指すのです。

金沢大学病院時代の患者さんの多くが達成
  • 日常生活上、痒みを感じることはほとんどない。
  • 人前で、人目をはばからず搔いてしまうことがない。
  • 痒みで睡眠が妨げられることがない。
  • 外観上、アトピー性皮膚炎ということが全く、またはほとんど分からない。
  • アトピー性皮膚炎であることで、人生設計に影響が出ない。
  • ステロイド外用薬の副作用が心配でなくなる。
  • 普通にステロイド外用薬を使用していれば「リバウンド」などあり得ない。
  • スポーツや趣味が制限されることがない。
  • 化粧も全く普通に可能となる。
  • 恋愛や人付き合いにも前向きになれる。
  • 食べるものも気にする必要はない(アナフィラキシーや重症の蕁麻疹合併の場合は除く)。

もちろん、以上の状況を作り出すためには、真剣に患者様がアトピー性皮膚炎の治療と向き合う気持ちを維持し続けることが必須です。

塗り薬を使えばそれぐらいの状態になるのは当然だろうと考える方、逆にそんなに改善するなどはあり得ない、どうしても信じられないと考える方は、わたしの診療はお勧めしません。医師との信頼関係を構築して初めて、本当にあなたの、あるいはご家族の人生を変えるアトピー性皮膚炎の治療が実現するのです。