忘れられないアトピー患者(5)

ある日、脱ステ暦15年の中年の女性が妹さんと来院されました。身体の症状はそれほどひどくなかったのですが、顔面が真っ赤でした。ステロイド治療で1週間ぐらいでかなりの改善が見込まれましたが、患者さんから衝撃のコメントがありました。「ステロイドを使わずに生活指導だけで治してください。ステロイドを使って改善しても脱ステをずっとしてきた私は幸せになれません。」これには困って、「私は皮膚科医だから、自分に信念のある治療以外では治療はしません。」傍で医いていた妹さんが「お姉ちゃん、今日はお話を聞いたということで、じっくり考えて、こちらで治療ける気になったらまた来させてもらおう。」というもので、結局その日は投薬はせずに帰られました。やっぱり、脱ステ暦の長い人は人生観を180度返還するのは難しいのかなと思いました。その後、数か月後に突然この患者さんが来院されました。「ようやく私を信用して治療を受ける気になっていただいたんですね。」という私の言葉に対して「いいえ、先生のことはまだ信用していません。でも脱ステしていてもひどいままだし、どうせ良くならないなら、信用できない治療でもやってみようかと思ったのです。」その後、ステロイド外用薬とプロトピック軟膏で治療開始して一気に改善しましたが、長年にわたる苔癬化がひどいせいか、週に1,2回ステロイドを塗らないとかゆみがコントロールできない状態が続きました。そこで「完全にステロイドと縁が切れないので、あなたを幸せにはできていないですよね?」と尋ねたところ「いいえ、今の自分は十分幸せです。会う人みんなから、そうして急にきれいになったの。何があったの?、と言われるからです。」その後、彼女は完治して、終診となりました。もう5年ぐらいたちますが、再度の受診はありません。///新型肺炎は3,4月で世界的に終焉して東京オリンピックは予定通り開催して欲しいです。多くの工夫を行って東京オリンピック2020を開催して、感染症に世界のスポーツイベントが勝利したという結果を目指して欲しいです。///奥さんと、7月プラハの強皮症国際学会、8月の教室からのロンドンプレゼント旅行、10月のカナダ紅葉旅行の予定があります。すべて、気持ちよく行きたいです。